INTERVIEWS

MANUFACTURING
ENGINEER

製造エンジニア

2022年入社

入社までの経歴を教えてください

大学卒業後は、関西にある航空機のエンジン部品を製造する会社に入社しました。そこで9年間、製造工程で使用する治具や加工設備の選定、導入、お客さまとの技術折衝、品質改善活動、リスクアセスメントなど、工程全般を担当。海外案件で権限のある立場を任せてもらうなど、プロジェクトリーダーとしての経験も積みながら成長を続けていました。しかし、コロナ禍で人の移動が激減するなど社会情勢が大きく変化したなか、このまま航空機産業に身を置き続けることが自己実現=「社会に貢献したい」になるのだろうかという想いが芽生え、転職を考えはじめたのです。

東京エレクトロン九州へ転職を決めた理由

「仕事を通じて、自分がどう社会に貢献できるのか」を考えた末に、「人々が必要とするものを途切れなく供給し、どんな状況でも経済活動が止まらない社会を構築すること」に辿り着きました。そして出会ったのが東京エレクトロン九州です。当時、「半導体不足」が世界的な課題になったように、半導体はありとあらゆる産業製品やデジタルインフラに幅広く活用されています。極めて社会的重要性が高い半導体、その製造に欠かせない半導体製造装置を開発・製造することで社会を支える会社であれば、自身の思いを実現できるのではないか、そしてそれを地元である九州の地からという所に縁を感じ、入社を決意しました。

現在の仕事について

現在は、台湾にあるTokyo Electron Taiwan Ltd.に出向し、製造装置のスタートアップ業務の“現地化”をおこなっています。装置はモジュールごとに分解し現地へ輸送されます。それらをお客さまの工場でドッキングし、据え付けた装置の動作やプロセス条件を確認し、量産体制を整えることがスタートアップです。私も赴任当初はスタートアップ業務に従事していました。スタートアップ時にはさまざまなトラブルが発生するため、現地のメンバーや開発部門とも連携しながら解決策を模索し、無事に装置が立ち上がったときには大きな達成感を感じられます。お客さまの工場で、私たちの装置を含め数千台もの半導体製造装置が稼働している様は圧巻ですよ。装置についてはもちろんですが、こうしたお客さまのことを知る機会としても良い経験になりました。
スタートアップ業務は、東京エレクトロン九州の製造エンジニアが現地へ出張・出向し支援していますが、これを現地社員で対応できるよう“現地化”に向け、仕組みづくりをおこなっています。

印象に残っているエピソード

赴任当初、経験が浅かったこともあり、「知識がないのに、彼は駐在員なのか」と現地社員に疑念を抱かれていたと思います。言葉の壁はもちろん文化や価値観も異なるので、仕事の進め方には苦労をしました。そこで私は、常に相手へのリスペクトを欠かさず、その上で自分の意見もしっかり伝え積極的に対話をすることで、仕事に向き合う姿勢を認めてもらうことに努めました。段々と周囲の反応も変化し、互いに知見をすり合わせて議論を深め、問題が解決できたとき、そしてそれが現場にも反映され、メンバーが効率的に仕事をしている様子を見たとき、何ともいえない達成感を感じました。今でも相手へのリスペクトを常に心掛けて仕事をしています。

入社して分かった東京エレクトロン九州のすごいところ

当社のコータ/デベロッパ*が、世界シェアのほぼ100%を占めているのは衝撃的でした。台湾の世界最大手の半導体受託製造企業も当社のお客さまであり、まさに私が台湾現地で立ち上げた半導体製造装置が稼働しています。極めて高水準な品質要求に応える責任を感じつつも、それほどの企業を相手に仕事ができていることに誇りを感じられています。そして入社初日に驚いたのが、社内食堂のコストパフォーマンスの高さです。ワンコインでお腹がしっかり満たされ、しかも栄養バランスが取れた食事が用意されています。些細なことかもしれませんが、間違いなく社員の活力になっているはずです。 *半導体基板にフォトレジスト(光感応性の樹脂)の塗布・現像をする装置。

東京エレクトロン九州でかなえたい夢や目標

直近の目標は、台湾におけるスタートアップの“現地化”をやり遂げること、スタートアップの工期を短縮することです。当初は最長1年近くかかっていた工期が、これまでの改善の取り組みもあって、半年以上短縮されました。これでも十分な進歩ですが、お客さまからの要求はさらにその上をいきます。私たちもさらに改善できると考えています。スタートアップだけでなくその前後工程含め生産システムについて包括的に学び、いずれ熊本に戻った際には、現地での経験を生かし生産ラインの全体最適化をリードする生産技術者になっていきたいです。

Message
転職者の皆さんへ

キャリアや環境を変えることに慎重になるのは当然で、実際苦労もあります。 しかし、台湾で働くという人生経験は転職をしたからこそ得られたもので、経験値を増やせたことは大きな収穫だったと思います。 半導体製造装置は、機械、電気、ソフト、化学の要素が複合的に絡み合っている製品なので、工学系出身の方であれば必ずどこかの領域で精通するものがあると思います。
また、外から来たからこそ生まれる新たな視点が、現場で生かされることも少なくなく、それが変化の激しい半導体業界で成長し続けるための解につながるかもしれません。これこそ中途入社者の醍醐味ではないでしょうか。

オフの日の過ごし方

休日は日本にいる家族とテレビ電話をしています。時差も1時間ほどであり、お互いに負担なく話せるのが嬉しいところです。また最近では、同僚と一緒に台北エリアに買い物に出かけたり、ジムでトレーニングをするようにもなりました。最初は誘われていったジムでしたが、今ではすっかりハマっています。台湾のお酒といえばビールのイメージがあるかもしれませんが、実はウイスキーも美味しいですよ。台湾の有名なウイスキーメーカーの生産工場に同僚と訪れて楽しみました。寂しさを感じることも少なく、台湾での暮らしを満喫できています。

お気に入りの熊本

大学時代を過ごしたこともあり、熊本にはたくさんの思い出があります。特におすすめしたいのが、地元産の肉・魚・野菜の質の高さ。例えば、天草の魚料理は絶品で、魚種も豊富です。また、観光資源に恵まれているのも熊本の魅力。阿蘇の温泉へ出かけたり、キャンプをしたり、夏には天草の海水浴場を訪れたりとアウトドアも楽しめます。私のお気に入りスポットは熊本空港です。航空機の離着陸を間近で見られるポイントがあり、阿蘇山をバックに大空へと飛び立つ旅客機の姿は壮観の一言です。